博士先生の研究日誌

博士号を取得した小学校教師の研究について

ChatGPTで読書感想文を書くのはいけないことか?

教育として意義のある活用を

今日はChatGPTで読書感想文を書くことについて考えたいと思います。

 

結論から言うと、限定的な利用ならば意味のある活用だと考えます。

 

禁止すべきは完全にChatGPTに作成させることです。

また懸念すべき点はもちろんあります。

前提として、ChatGPTを使ったものを自分の作品として偽ることは不正行為になることを理解しておきましょう。

 

ChatGPTが作成した読書感想文

桃太郎を題材に読書感想文を作るように指示をしました。
すると、ChatGPTは以下のように感想文を作成しました。

先日、「桃太郎」という昔話を読みました。この話は、昔から伝わる日本の有名なお話で、正義と勇気、そして友情について教えてくれます。

物語は、おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてくるところから始まります。おばあさんとおじいさんがその桃を開けると、中から元気な男の子が生まれます。彼らはその子を「桃太郎」と名付け、愛情を持って育てました。

桃太郎が大きくなると、近くの村を襲っている鬼を退治するために、家族からもらったきびだんごを持って旅に出ます。道中で犬、猿、キジと出会い、きびだんごを分け与えることで友達となり、共に鬼退治の旅を続けます。

この物語の中で、桃太郎は勇敢で思いやりがあり、困っている人を助けようとする心を持っています。また、犬、猿、キジもそれぞれの能力を生かして協力することの大切さを教えてくれます。彼らは協力して困難を乗り越え、最後には鬼を退治して平和を取り戻します。

この話を読んで、私は困難に直面したときには一人で解決しようとせず、周りの人たちと協力して問題に取り組むことの重要性を改めて感じました。また、どんなに小さな力でも、それが集まれば大きな力になることがわかりました。

「桃太郎」は、ただの冒険物語ではなく、友情や協力の大切さを伝える物語であり、今の私たちにも大切なメッセージを教えてくれます。

このようにまとまった文章を一瞬で作成します。

これで課題を終わらせてしまえば、何の力も身につきません。

 

読書感想文を書くためのプロセスを聞いてみる

それでは、どのような活用なら意味があるのでしょうか。

まず1つは、読書感想文の書くためのプロセスをChatGPTに質問することです。

読書感想文を書くためのプロセスは、計画的に進めるとスムーズに書くことができます。ここでは、中学生にも実践しやすいステップを紹介します。

ステップ 1: 本を選ぶと読む

  • 興味がある本を選び、じっくりと読みます。この時、物語の流れや重要なイベント、登場人物の特徴をメモしておくと後で役立ちます。

ステップ 2: 本の要約と感想をメモする

  • 読み終えた後、物語の要約を簡単に書き出します。さらに、読んでいて感じたことや考えさせられたポイントをメモしておきましょう。

ステップ 3: テーマや視点を決める

  • 感想文のテーマを決めます。例えば、「勇気の重要性」や「家族の絆」など、自分が最も影響を受けた部分に焦点を当てると良いでしょう。

ステップ 4: 構成を考える

  • 感想文の大まかな構成を考えます。通常は以下のようになります。
    1. 序論:本の簡単な紹介や、選んだテーマについて触れる。
    2. 本論:具体的な感想や考察を展開。引用を用いて感想を支えることも有効です。
    3. 結論:感想文を締めくくる部分で、読んだことの個人的な影響や学びを述べます。

ステップ 5: 下書きを作成

  • 考えた構成に基づいて、実際に文章を書いてみます。この段階で言いたいことを自由に書き出し、文章の流れを作ることが目的です。

ステップ 6: レビューと修正

  • 下書きが完成したら、内容を見直し、誤字脱字の修正や表現のブラッシュアップを行います。可能であれば、誰かに読んでもらいフィードバックを得るとさらに良いです。

ステップ 7: 清書

  • 最終的な修正を経て、きれいに清書をします。ここで、文字が読みやすいように注意しましょう。

これらのステップを踏むことで、自分の感じたことをしっかりと伝える読書感想文が書けるはずです。各ステップを丁寧に進め、自分の思いをしっかりと形にしてくださいね。

私は昔、読書感想文の課題が出されたときに書き方を教わっておらず、苦しんだ思い出があります(もしくは、話を聞いていなかったのかもしれません)。

 

ChatGPTに質問すると、どのような流れで読書感想文を書けばいいか明確になります。

各ステップをより具体的に知りたい場合は、「ステップ○について詳しく教えてください」と追加質問をすれば、詳細な説明が回答されます。

 

このプロセスに基づいて自ら書くことは意味のある活用と言えるでしょう。

対話により考えを深める

自分の考えを深めたいときはChatGPTと対話するのも1つの手です。

桃太郎をテーマにChatGPTと対話をしてみました。

私:私は中学生です。私のレベルに合わせて対話をしてください。

 

ChatGPT:了解しました!何か質問があれば、いつでも気軽に聞いてくださいね。何について話したいですか?

 

私:桃太郎について考えています。鬼退治という目標を達成するために、自分1人では倒すことができないと犬たちに協力を仰ぎます。彼は客観的に物事を捉えられ、かつ戦略的な人物だと私は感じました。

 

ChatGPT:その見方はとても興味深いですね!桃太郎が犬やキジ、猿といった仲間たちに協力を仰ぐことで、彼の戦略的な思考やリーダーシップが表れています。彼はただ強いだけでなく、チームワークの大切さも理解しているんですね。この話から、あなたはどのような教訓を得ましたか?それとも他に何か気になる点がありますか?

「中学生」と伝えて難易度を設定し、「対話」という目的をあらかじめ指示しています。

自分の意見を伝えたり、ChatGPTからの質問に答えたりすることで考えが整理されていきます。

 

他の題材で例文を作成させる

読書感想文の辛い点として、完成した状態がイメージできないということが挙げられます。

このような場合、例文をChatGPTに作成させることができます。

 

例えば、私が桃太郎の読書感想文を作成させたように、他の題材で例文を作成して完成イメージを掴むことができます。

例文をお手本とすることで自分の読書感想文を書く手助けになります。

 

学校の先生に事前相談してみる/コンクールには出せない

使いたい場合は事前に学校の先生に相談してみてはどうでしょうか。

そして、どのように生成AIを使いたいかを伝えて、課題を出す場合にも実際に使用した方法を記載します。

 

もちろん、コンクール作品扱いはできません

自力でやった子と提出点は同じ扱いにはできないだろうなど、懸念点はあります。

 

ただし、取り組み方のわからない課題をただこなす/課題ができずに頓挫するよりは、よっぽど意義のある取り組みになると考えます。